夢や憧れに惑わされない家づくり
2022年3月21日注文住宅を建てるにあたって、多くの人が家づくりの情報収集をすると思います。私もその通りで、他の人が建てた注文住宅の見学会やモデルルームを見に行き、マイホームの夢を膨らませました。家づくりの過程の中でも、どんな家にしようか考えている時は特に楽しいものです。しかし、その楽しさやマイホームへの期待に気分が高揚していたのか、私はあまり現実的なところまで考えることができていなかったのです。この記事では、そんな私が実際に注文住宅を建てたことで気付いた「家づくり初心者が陥りやすい失敗」についてご紹介します。
単純な性格である私は、見学会で見て学んだアイデア1つ1つに素直に憧れを抱きました。平屋のリビングから繋がる広いウッドデッキや、お気に入りの樹木をお洒落に演出する窓、星空の見えるお風呂など挙げればキリがありません。そのどれもが魅力的に写り、家づくりの方向性がなかなか定まらないほどでした。また、その当時は2階建ての家を考えていたため、水回りを1階にするか2階にするかの悩みも発生しました。素敵なアイデアを見れば見るほど、余計に家づくり迷子になってしまったのです。
そんな中で、少しずつ間取りの具体的な話し合いが始まりました。こんなにも定まらない考えを上手にまとめてくれたのは、他でもないハウスメーカーの設計担当さんでした。こちらの拙い曖昧な希望に対しても、的確な提案をしてくれたため、散らかっていた考えも次第にまとまっていったのです。どんなに憧れのアイデアでも、自分の性格やライフスタイルに合っていなければ意味がありません。その良いアイデアを自分の暮らしに当てはめ、現実的に考えることで初めて自分の暮らしやすい家になるのです。
私の今回の家づくりの中でも、現実的な考えが一番役に立った例が「キッチン」です。当初の案では、キッチンは開放的でお洒落に見せることができるアイランド型の予定になっていました。調理スペースや流しが独立しているキッチンで、見学に行ったお宅でも採用されていた人気の形です。最初は私も何の疑問もなく賛成だったのですが、一度持ち帰って改めて考え直してみることにしました。私の性格はズボラ。さらに、キッチン用品も無駄に多め。さらに極め付けは、ふと自分の使っているキッチンを見たところ鍋やお皿がキッチンに出したままになっていたのです。その瞬間、私にはアイランド型は無理であると気が付きました。キッチンに物を出したままにしていると、アイランド型の良さを発揮できないどころか、むしろ物が散らかった見栄えの悪いキッチンの出来上がり。自分の性格や作業のしやすさを考慮した上で、間取りや設備を決める必要性を痛感した出来事でした。私は結局、料理の油はねや目隠しを考慮したキッチンに変更し、キッチン収納をより充実させることにしたのです。
私のように夢や憧れに惑わされて間取りや設備を決めかねている人は、それは本当に自分の暮らしに合うアイデアなのかを、今一度考えてみることをお勧めします。その上で、採用すべきアイデアを取捨選択しながら、理想のマイホームを作り上げていきましょう。